大アルカナで得る師匠と魔獣

タロットカードはそれそのものに神秘性があるわけでなく、読む側が意味と物語を見出すものであり、やってることは一人ブレストにキーワードを放り込んでいるにすぎない、ルールの厳しい三題噺、という、面も、ある。

実際カードを引き続けているとなにかがわたしにこれを引かせたのではないかと感じてしまうことや、何度シャッフルしても同じカードが連続で出てくるといったことはあるがそのへんは置いといて、スピリチュアル的、オカルト的ではないものとして一旦向き合うこととする。それらが特別なものだと考えること自体間違っているのかもしれないが。

 

で、まあ、一人ブレストに特化したような扱い方を教えてくれているような本ってないのかな?というと、ある。

その名も思考ツールとしてのタロット。

ぷよぷよ魔導物語バロックなどのゲームを作られたゲームデザイナーである。

 

ウェイト版の人物の絵が苦手とかいきなり全裸は困るとかいう人にいいかもしれない。

本書はロジカルにあくまでツールとしてのタロットに着目し、占いが当たる理由、相談事が必ず失敗する理由(そしてタロットなら成功しやすい理由)などが綴られている。それでいて大アルカナを世界として捉えて盛り上げる語り口などはさすがにゲームデザイナーだ。

 

で、その中でも特にこれおもしろいなーというのが、タロットで得る師匠と魔獣の創造。

 

オカルティズムに興味があれば一度や二度はタルパや人工精霊に触れたことはあるだろう。タルパというのはチベット密教の秘術で、すごい雑に言っちゃうと、意図的に自分の中に別人格を作り、彼らとの対話で自己対話をバーチャルに実現したりするのである。

はじめは名前と見た目を決めて、サイズも決める。まずは一人で「わたしのタルパならこう回答するだろう」といったやりとりを続け、実在しているかのように家具を整えたり洋服を置いたりしていると、自動化と呼ばれる状態がやってくる。

タルパがこの自動化状態に入るとあとはもう頭で考える必要なしに彼らとの会話が可能になるのである。

某巨大匿名掲示板ではタルパとの日々を綴るスレやタルパと恋人になったというコテハンなどがある。タルパと人工精霊には大きな差はないが、人工精霊はよりしろを使って作るところが最大の違いとなる。依り代がなければ存在しないものだとはじめにルールづけることで、精霊がやばい方向に行ってしまったなら破壊することができる、というルールにするのである。タルパスレにはあちら側へ行ってしまったような人もいるようだ。

 

おかしいねタロットはオカルトな存在じゃないっていいたいのにどんどん雲行きが怪しくなるね。

 

今とはだいぶ違ってよくある心理本著者だったゆうきゆうはEBとこれを名付け、精神科医として心理学を用いた手法を解説した本も出している。絶版。

 

 EBにバカンスを与えるとか、あえて一時的に原黒にするとか、気の進まないやりかたをEBにはじめてもらう方法とか、素人集団であるタルパスレとちがいアカデミックな裏付けの気配があってわりと好きな本だったりする。

 

まあ自己対話はわりと誰でも程度の差はあれやっているはずである。効果があるものというのはなにごとも過ぎれば毒になるのである。

私は自動化にこぎつけたことはない。リアルでも人となにを話せばいいのかわからんのに架空の存在になにを語りかけろというのか。

 

 

で、まあそんなぼくたちわたしたちに優しく擬似人格のきっかけを与えてくれるのがこちら、タロットで作る師匠と魔獣なのである。ここまで1500字。

 

方法は簡単。大アルカナ22枚をよーーーくシャッフルして、1枚目があなたの師匠、2枚目があなたの魔獣。

師匠とはあなたを導き、なんでも聞いてくれて、あなたの長所の方向性がマックスに育った状態にとても良く似た存在。

魔獣とは、あなたをそそのかし、あなたの得意な方法が通じない時に超法規的存在を実行させようとしてくる、短所だけどピンチに役に立つこともある、師匠を茶化したりもする存在。師匠と対等というより、「飼いならす」イメージのようだ。

はじめからペアで作ることでタルパにおける依存からの暴走を防ぎ客観性を保つシステムなのだと思われる。もう一人増やすとマギシステムですね。

かのウォルトディズニーも意思決定の際は夢想家、実務家、批評家の3人を心の部屋から呼び出していたという。凡人は二人がちょうどいいんじゃないかな。

 

師匠と魔獣にはそのままでなく名前をつけること、姿を与えることが推奨されている。なるほど、ゼロベースで作るタルパよりもある種の縛りが発生する分発想しやすい。一次創作や全力の理想化に慣れてない私はそこがそもそもタルパづくりの難関だった。二次創作ならまかせろ。結果的に原作と似ても似つかないものになるけどな。

 

ちなみに私の師匠は法王、魔獣は女教皇

なるほどわたしの長所と特技は教えること、伝えること。短所は完璧主義気味で頭でっかち、潔癖の気があるということだ。

リアルでわたしをご存知の方、いかがだろうか。

 

師匠と魔獣は育成が必要だそうだ。まいにちひとつ、それぞれが好みそうな話題をエサとして与える。

わたしの師匠である法王なら今日見つけたおもしろいネタを説明してみる、魔獣の女教皇であれば絵に描いた餅のようなありえんレベルの理想を語ってみる。

エサを与えられると師匠と魔獣は育ち、強い味方となってくれる。忘れると数日でほとんど対話ができなくなるという。

 

なお、前記事のレンストで占いを試みたシェリルノームが理想の姿な友人は師匠が悪魔、節制が魔獣であった。なるほどシェリルね、というかんじがある。一見退廃的で怠惰とも言える奔放さと性的な魅力とカリスマ性が長所、短所はバランス感覚のなさ、悪さ、など、ということだ。

 

下記に同著書を読んで師匠と魔獣を創造した人々のツイートを引用してみよう。どれもこれも面白い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、タロットがランダムに物語を得ることのできるツールであるなら創作にタロットを使ってプロット作ったりできないのか、と考える人もいるかもしれない。

実はある。

それも、(かつての)ラノベヒットメーカーが20年ほど前に考案している。

そちらの紹介は次回。

 

 

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