タロット?を利用したプロットづくり

はじめに

前回の続き。

タロットでストーリーラインを作るやり方を書いた本。

約二十年前に、当時多重人格探偵サイコなどでブイブイ言わせていた漫画原作者大塚英志作、物語の体操。

 

古今東西、全ての物語は33だか36だかのパターンに分類されるという。あとはハリウッド脚本における序破急の三幕構成、そのへんをふまえてタロットを使いプロットをささっと作ってしまえる、というのがこの本の目玉の1つ。その名もタロット・プロット。キャッチーだ。

本を売るためのキャッチー企画だったと思われる

正直言って著者本人が使っていたとはちょっと思えない。このタロットプロットだけで小説が書けるとは思えないのである。

本書はタロットカードは使わない。何がタロットなのかというと、どうもケルト十字というスプレッド(タロットカードの占い結果配置)に似たカード配置をするからそう呼んでいるようで、カード自体はキーワードのみのオリジナルである。アルカナもなんも関係ない。

難しいだろうと思うのはそこで、キーワードひとつだけがカード一枚に対応しているならば連想が非常に困難なのではというところだ。

タロットカードの良さは寓意やキーワードをたくさん、しかもそのときの自分にとって都合のいいところだけ拾えるということ。キーワードが制限されているととても、とてもやりにくい。

このへんオラクルカードも同じで、デッキを複数使うと突如結果が立体的に見えてくるのもそのあたりが理由と思われる。

そこそこ料理ができる人間なら他人のレシピをきっちりなぞるならば自分でアドリブかましつつ作ったほうがずっと効率的でおいしいものができるのと同じというか、「できる」人がこれを使うのはどうにも無理がある、と感じざるを得ない仕組みだ。

できるかもしれないと信じるにはいいとおもう

とはいえこの本は書いたことないけど書きたい、でもまあ書くのは100人に一人いれば上出来だよねというような層なので、魔法のようにオリジナルプロットが作れる、しかも一度は習得を試みたことがあろう神秘的カード!タロットで、というところで、かなりキャッチーな企画ページとなったと思われる。(正確にいうとタロットではないんだけど)

実際、ほぼ二十年経った今も本書はタロットプロットによって思い出される存在となっている。

本書の背景

著者はこの本の前にキャラクター小説の書き方というラノベ指南第一弾を書いていて、そちらではラノベでなくキャラクター小説という造語を用いた意味をやや熱く語っている。

なるほど、ラノベはあらすじよりもまずキャラクターがあり彼らに何をやらせるか、という、一般文芸とは真逆のスタートになりがちだ。

特に二十年前くらいはオリキャラをたくさん作るだけ作る、という創作傾向が強かったように思う。十年ほど前は世界観設定だったような。今はどうなんだろう。シチュエーション重視?だとすると一般文芸の道に近づきつつあるのだけど、どうだろうか。

どんな内容なのか

現物は手放して久しいがウェブ上に再現してくれた有志が… とおもったら消えていた。ドワンゴの通信高校に本手法を用いた授業の参考ぺージがあるので参照にどうぞ。 

nnn.ed.jp

 

キーワードと、何よりこの紋章化がうまいな、と思う。作家でなく企画屋だったのだなあ。

 

まとめとその他

なお、物語を書くのであれば個人的には大塚英志よりも冲方丁の方が参考になるのではという気がする。こうすべし、でなくあくまで彼個人のやり方を開示してくれているので、本当に始めるならそちらのほうが得るものはあるように思える。

 

 

次はツイッターで接するタロット、アプリで接するタロット。

 

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