魔術は英語の家庭教師

思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)で参考書として挙げられていたこちらを読んだ。

出版は33年前、あまぞんでは最安2万円、最高額7万円。定価3桁だったのにね…

千葉県の図書館に所蔵があったため取り寄せ、scansnapで無心に非破壊電子書籍化を行い通勤中に読んだ。

 

かの「黄金の夜明け団」の翻訳を日本で最初に行ったというほんものの魔術師によるこの本、事前に「魔法って単語で英語学習者を釣る本かな、あるよねー魔法のダイエット、とか魔法のおかたづけ、とかねー多いよねそういう本ねー」とおもいきや完全に逆、逆も逆。英語学習って単語で魔術師を増やそうと画策するものであった。とんでもねえ。(喜)

 

英文法に関する項目は一切無い。単語の覚え方はある。英単語のかわりに、魔術師になる儀式の方法や英語で魔術書を購入する手順などでまるまる一章使っていたりタロットカード一式を持っているのを当然の前提として話が進んだりする。

なお本書における英語の習得方法ではセフィロトの樹とタロットカードを使う。大アルカナ一枚を習得する際に単語の丸暗記でなく「ああいうかんじの存在」みたいにふんわりとらえる、そのような対象として単語をどんどん覚えていく、そのためにタロットとセフィロトを利用する。自分で発見した共通性、連続性はエピソード記憶として忘却されにくくなるということと思われる。大アルカナ1枚を概念としてとらえていくように、英単語を概念として自分の中にとりこんでゆくのだ。なるほどと納得したところで、ことあるごとに魔術書を買えと言ってくる。気を抜くと魔術書を買う合理性を刷り込まれている。

あと先日、私も本ブログの記事で「タロットカードでなくても占いはできる」という旨の記事においてトレーディングカードでもいける、と書いた。本書にも、花札百人一首で代用した例が出てきた。やはり占術はカードそのものは媒介にすぎず、本質はそこにはないと本職も考えていらっしゃる。巻末付録は完全にタロット解釈コラムだった。著者オリジナルスプレッドを使っての解釈を深める方法で、これがほんとすごい、面白い、本職の本業のやりかた。そこそこタロット本は読んできたけども完全に実践としての習得方法だった。例えるなら、他の本が剣道ならば本書は殺人用の剣術。このへんそのうち記事にしたい。

 魔術とコンピューターのコードが怖いくらい一致しているというのも面白い話だった、本当に初期のマシン語なのでまったく参照できなかったが…

 

思考ツールとしてのタロット (こどものもうそうブックス)が受けた影響が随所にみられる。本書では英語を学習するために、英語を食べる魔物を作り出してお世話することを求めてくる。これはまさに思考ツールとしてのタロットにある魔獣だ。

無味乾燥にノルマを積んでいくより、目標というものを擬人化し、目指すものでなく庇護するものという意識を持つことで継続性があがるのだろう。

本書はさすがに英語を習得できるというわけではなく、学ぶ姿勢と起訴、動機を与えてくれる、まさに魚釣りでいう釣りの心得を教えてくれる本だった。

 

それにしても33年前の文体だというのになんとも軽妙で読みやすい。出てくる芸能人が小森のおばちゃまだの南沙織だったりするものの、文体そのものはまったく古さがない。あ、あとところどころにクトゥルフが出てくる。邪教として、例文や魔術儀式の天使の代用存在として。当時はク・リトル・リトルとも訳されていたのでそのように表記されている。33年前でもちゃんと神話扱いされてたんだなあ。

 

復刊希望はこちらから。

www.fukkan.com

 

 ふとおもいたって検索してみたら、ご本人のツイッターを発見した。33年前にコンピューター研究してらした方ならそら2018年代についったーもやるわな!という気持ち。

なお↓の方。wikiみるとオカルトブームまっただなかに本物の魔術をどこどこ翻訳されていたようだ。他の本も追いかけてみたい。

twitter.com

 これも気になってるのよね…

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です