12/29おもバザ6用の本の下書き

同人誌即売会で2秒の壁を超える

即売会むけ掲示物の作り方

 

情報系、評論系といった文章系におすすめのポップの作り方掲示物について簡単にまとめ。

小説系でも使えるかも?

 

先日コミティアにて評論系サークル参加してきました。

で、もちろん面白い本たくさんあったんですけど、うわこれもったいないなーと思った事例がありまして。

 

・本を平置きしているだけ、ポップ一切なし

 

本の情報が表紙デザインとタイトルだけなんですね。私は今回一人参加だったので席でカタログのサークルカット読み込んでいたため、サークルカットの情報から「あーこれ面白そう」と思って買いに行きましたが、カタログを読まずにスペースが初見の方が購入に至るのはとても難しいだろうなと感じました。実際、隣のスペースのサークルがそういう状態で、本はテーマもキャッチーですごく考えられていたしおもしろかったし中身のレイアウトも丁寧だったのにあんまり動きが無かったんですよね…もったいない…

うちは文字ばかりのサークルでテーマもタロットというアレなやつでしたがそこそこ動いてて、それたぶんポップの効力が思うよりでかかったんでは、と感じました。ポップの前で足を止めて数秒間ざっと読んでそれから中にも見ずに買っていくっていう人がけっこう多かったんですよね。なのでまとめます。

即売会という特殊な場所の戦略 

 

かつては同人誌即売会において、事前にカタログを入念に読んでチェックしていくのは当然とされていました。現在はSNSの情報が多いこともあり、サークルカットの情報を入れずに歩き回る人の割合は増えているように感じます。ふらっと歩いて見かけてぐっと来た本を買いたい、という派閥もいるでしょうし。私もそうです。

そして、ふらっと歩いている人たちがあなたの本がただ平置きされている状態で興味を持つかどうかというのを一度考えてみてほしいです。

書店にあるプロの本だって、平積みされている(=売りたい)本は、帯が巻かれています。

帯は本のジャンルやテーマや信頼性が高そうな推薦文が添えられており、一瞥しただけでその本の概要が理解できる情報が掲載されています。

書店で文字の多い本を購入する場合は下記プロセスです。

 

  1. 移動している状態で、なんらかの情報が目にとまる
  2. まずは触れずに得られる情報で判断する
  3. 2をクリアしたら実際に手にとって中身を確認する
  4. 3をクリアしてコスト(価格など)感が合格に至れば購入する

 

これが漫画やイラスト本だと「絵そのものが好みに合致するか」という情報の割合が多くを占めてきます。

情報を扱う文字系の本の場合、1と2を掲示物の力で乗り越える必要があるでしょう。漫画でも、知らない作品であれば絵を気に入って手にとっても、あらすじ程度は確認してから購入検討に入るはずです。

 

ところで本の帯というのはリアル書店でもそうですが、近年はamazonのようなネット書店でも活用されているようです。amazonでは帯を含んだカバーを書影として登録可能なため、ネット書店で目に入りやすい情報量や色数のレイアウトになっているそうです。

 

ラノベは小説でありながら絵も重要な判断材料であるため、帯すらも読ませずに情報を与えるために、タイトルそのものが情報を持つ形に特化したのかもしれないですね。その流れをネット小説が輸入して「よくわからんけどタイトルがあらすじになってると読まれやすいぞ」となり、加速していったのでしょう。ネット小説ではタイトル以外の情報がほぼないでですからね。カクヨムなどはKADOKAWAが作っているだけあっておそらくそのあたり理解されてて、作者が自分でキャッチコピーなどをつける仕組みになっています。

 

デザインの基本として、「人間はこちらを見ている目線に反応して目を止める」というものがあります。そのためBLやエロ漫画はかつてみんなカメラ目線でしたし、編集にそう指示されていました。近年はネット書店やSNSクチコミの効果が大きいため、出版社が自信をもって販売を行う(=掲示物を多く展開する)作品では、かつてのセオリーからは考えられない表紙デザイン、というか構図の作品が増えています。教室遠景とか、キャラがこちらを見ていないとか。

深夜のダメ恋図鑑などは表紙がそのまま情報量を多く抱えている構成で、編集の自信と策略を感じますね。

掲載情報の組み立て方

 

さて、即売会の参加者の9割程度はあなたのサークルカットを知らない状態で歩いていると仮定しましょう。

ここでちょっと買い専の気持ちになってみましょう。

 

あなたはビッグサイトから一時間以上二時間弱くらいのところに住んでいます。

情報系同人誌を買うのはそこそこ楽しみだし購買欲もありますが、日ごろの忙しさやティアズマガジンの入手難度の問題から、まあカタログは入場チケットとして当日買えばいいや、ふらふら歩いてればぐっとくる本は見つかるだろ、と考えています。

 

開場から少し時間が経ってアダルト島の開幕ダッシュが落ち着いたころ、商業系大手サークルが完売を起こしている程度のタイミングであなたは会場にやってきました。あなたはざっと好みのジャンルの区画だけ把握して、そのエリアの通路を何往復かすることになります。

あなたの判断基準となる情報は、サークルに配置されているものがすべて。ゆっくり歩きながらとなるため、ひとつのサークルにかけられる分析時間は、あなたは自覚していませんが目視で2秒程度が限界です。2秒以内にあなたのセンサーにかかるものがあれば、そこで足を止めることになります。では2秒で判断できなかった場合は?その場合、売り手のあなたは立ち止まってじっくり判断してくれることを望むでしょう。しかし歩いている買い手は違います。無意識下で、2秒以内に判断できなかったものは認識することもなく通り過ぎることになります。言い換えれば、「ここには情報がない」という判断がされる、ということす。ここは狩猟場なのです、一次審査に通過しなかったものの情報を丹念に拾い集める必要も、覚えておく必要すらもないのです。

 

私の本業(ウェブデザイナー)において、広告バナー制作も業務に含まれます。

bannarというのは直訳すると「看板」なのですけど、新人時代は「バナーは国道沿いの立て看板と思って作れ」と言われたものでした。

広告主はお金かけてるので情報量をたっぷり詰め込みたがる傾向がありますが、閲覧側が判断するのは一瞬です。おおよそ0.3秒で判断されると言われています。0.3秒で判断できないものは内容検討の対象にすら入らず、そのまま「なんかごちゃっとしたオブジェクトがそこにあるな」という「判断」で終了します。

 

掲載要素は最小限かつ的確に行う必要があります。

それでは同人誌即売会において、最小限かつ的確な掲示物の内容とその優先順位はどのようになっているか?これを次章から解説していきます。

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