タロットカードとオラクルカードを比較する②オラクルカードの歴史

ニューエイジブームの中で、派生タロットにして最初のオラクルカードの出現が起きた、というところまでお伝えしました。

さて、オラクルカードの歴史がいよいよ始まるのですがその前にニューエイジブームが日本にもたらしたものについて寄り道。

日本はアメリカのカルチャーを五年〜十年遅れで追いかけます。1969年前後のアメリカのブームが1975年から1980年くらいにやってくる計算です。

このくらいの時代に起きていたことで私がおもしろいなーと思うのが、説話社の設立(1977)と月刊ムーの創刊(1979)、機動戦士ガンダム(1979)の出現です。

説話社は占い女児なら一度は触れたことのある「マイバースデイ」をはじめとした、占い関連出版社の第一人者にして現在もその分野でトップを走る企業です。月刊ムーがどれほどニューエイジ的かの説明は省きます。長くなるし、たぶんだいたいわかるので。

ガンダムに関して言うと、あれのヒットは「ニュータイプ」という概念が当時のヤングにピンズドだったというのが大きな要因の1つなのですが、ニュータイプの概念はニューエイジのそれに非常に近いものとなっています。ララァの容姿とかめちゃくちゃニューエイジ的じゃないですか?

寄り道終わり。

さて、アメリカに話を戻します。

ニューエイジブームでは魔術にも光が当たることになり、ごく一部で使われていたタロットカードというものも広く知られるようになりました。ニューエイジブーム以前はほとんど知られていなかったそうです。

で、タロットを当時ニューエイジャーにウケのよかった東洋思想でアレンジしたのがシークレットダーキニーオラクルです。

ダーキニーオラクルは構成そのものはほぼタロットと同じで、でもタロットの派生と言うにはちょっとアレンジしすぎかなー、といった構成です。大アルカナ的なカード22枚と、小アルカナ的なカード10×4セットの62枚、追加3枚。このダーキニーオラクルにマヤ帝国の象形文字をモチーフとしたマヤンオラクル、エジプシャンオラクルなどが続きます。

さて、ブームから20年。1999年に満を持してドリーン・バーチュによるオラクルカードが発行されます。今の「オラクルカード」のイメージは、彼女が作ったものもそうでないものもドリーンのデッキのイメージがベースです。すなわち、天使、愛、夢、癒し、光、みたいな。抜け道を探したニューエイジブームからまたキリスト的になってます。

どうも日本語情報は断片的かつ神聖化されており追いきれないため、以下英語情報をなんとかつないでの推測になります。

ラクルカードの本国版はヘイハウスという出版社が発行しています。このヘイハウスというのはアメリカ版の説話社とサンマーク出版を足して2で割ってライトワークス(オラクルカードの日本販売代理店)をふりかけたような、ようはスピリチュアルと女性向け自己啓発本の出版社です。設立は1989年、ニューエイジブームより20年ほど後ですね。創立時、創立者のルイーズさんは当時60歳です。元モデルで今も現役経営者です。モデル引退後に出版社立ち上げたんですねー。ここでドリーンは「心理療法士」として1990年からトラウマ対処系の本を書いていたようです。初期メンです。

初期のドリーンは、おそらくセラピストとしての言葉を届けやすくするために「天使」を多用してたのではないかな…と私は考えてます。あれこれデモデモダッテする患者に「天使がそう言ってるから」と押し切ったみたいな。初期は摂食障害のセラピストとしての経歴を使ったダイエット本など出してます。めっちゃ手堅い。

さて、企画本をいくつか展開したのちに、ドリーンとヘイハウスのオラクルカード一作目「エンジェルオラクルカード」が発売されます。

カード占いはビブリオマンシーの派生と言われます。目をつぶって本(聖書を使うことが多いそうな)を開き、ページのどこかを指差す。目を開けるて、指が差していたそこが啓示である、と。

エンジェルオラクルカードはタロットというよりビブリオマンシーに近い構成です。タロットのように連番ではなく、かたまりをつくることも出来ず、絵柄というよりキーワードに意味があります。

天使のオラクルカードという着想がドリーン本人のものだったのか、あるいはただヘイハウスが仕掛けた客単価ガン上げ商品企画だったのかはわかりません。とりあえず事実としては、ヘイハウスはドリーン以外にもたくさんの作家にオラクルカードを作らせています。いますが、ヘイハウスの一番の稼ぎ頭は彼女です。でした。

エンジェルオラクルカード以降、ドリーンは2、3年に一度、ほかのヘイハウス作家がその隙間を埋めるようにオラクルカードを展開していきます。

これが海外へも展開していき、日本ではライトワークスという代理店が販売することになります。ライトワークスはドリーンのオンライン講座の販売や日本オリジナルのオラクルカードも手掛けています。

ラクルカードはタロットのように構成が決まっていないため、さまざまな派生が作られたし作られています。

多数派のオラクルカードに対して言えるのは「自己対話用として設計されている」「セルフセラピーに特化している」というところでしょう。ヘイハウスがいろんな方向でオラクルカード出したけどセルフセラピー用だけがよく売れたからそういう方向に絞ったのかもしれません。

こうしてオラクルカードはニューエイジ、および精神世界の分類棚で平積みされるようになりました。もとが学問ベースではなく、あくまで出版社による「カード型の本」なので西洋戦術や東洋八卦、占いの棚とは遠く離れた怪しいエリアに置いてあります。

ラクルカードもドリーンの未科学をおまじないとして扱わせるやり口も私は大好きです。

が、2017年にドリーンの「もう占いも天使もタロットもやらない!!!うんざり!!」という超オモシロ事件が発生し、現在ドリーンはヘイハウスに自分のオラクルカード販売差し止めを要求しており、一部のデッキは再販なしとなりました。

オモシロ事件についてはいずれ別記事で触れるとして、そんなわけで女神系カードは再販されません。

ラクルカード検討中の人魚タイプさんはお急ぎください。

長々とレポートにお付き合いいただきありがとうございました。

次はタロットとオラクルの比較をさくさくやります。

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